ご挨拶
古き重き良き日本の技術と文化を継承し次世代へ伝えそして世界へ発信していく。その様な思いで此処、信州で活動させて頂いております。
現代は日本のみならず、世界でも人口減少そして高齢化社会が着々と進行しております。
それに伴い、当然ながら古民家(空き家)も増えてきております。その様な古民家(空き家)をどう活用していくのか?現代のニーズの変化に即した対応が今、求められているのではないでしょうか。
日本の木造建築の歴史は古く現存している最古の建築でいえば法隆寺が有名で実に1300年の歴史があります。その様な当時、建築基準法もない頃の建物が現存しているというのは先人達の創り上げてきた技術と知恵が如何に素晴らしいという事を物語っているのではないでしょうか。神社仏閣だけではありません。「古民家」もその一つです。木材の材種の選定から始まり、その木のクセや曲がりといったモノを棟梁が目利きし良質な木材だけを天然乾燥(現代は人工乾燥)させて、そして匠の技術(木組み等)で100%自然素材だけで出来た木造住宅が現存している訳で有ります。
しかしながら現代の住宅事情はそうではありません。コストを優先するあまり短期的にしか住宅というものを考えなくなりました。工場でプレカットしてきたものを現場で1日~2日程度で組み上げ、内装材、外装材等といったモノは石油製品や人工加工材。40年持てば良いという考えのもとに始まっています。これでは建てる度、改修する度、壊す度、環境負荷、経済的負荷が重すぎます。
欧米などの住宅は「壊して建てる」のではなく、現存の家は「直して次世代へ繋げていく。」という長期的な考えです。これは住宅だけではなく昔からの「衣・食・住」においても同じ事が考えられるのではないでしょうか。今日、問題に取りざたされている環境問題にも多大な影響が出てきております。我々はそういった観点からも見て取り組まなければ残らないのではないと危惧しております。逆を言えば「ホンモノ」しか残らないと思っております。
「持続可能な循環型建築社会」を再生し、そして「KOMINKA」を世界共通語にその価値をみんなで高め、みんなで広げる。そんな団体で有りたいと考えております。
一般社団法人古民家再生協会長野東北信 代表理事 高橋 志行